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胎児ドック 4Dエコー

Fetal assessment・4D ultrasound

胎児ドック

この度はご妊娠おめでとうございます。お母さんやお父さんはもちろんのこと、ご家族の皆様もさぞかしお喜びのことと思います。しかし、中には妊娠されたことの喜びを感じておられるだけでなく、おなかの赤ちゃんは健康に生まれてくるのだろうかと漠然とした不安を抱えている方もおられるのではないでしょうか。

ほとんどの赤ちゃんは何も問題なく元気に生まれてきますが、赤ちゃんの 5%程度には何らかの先天的なご病気があることが知られています。これらのご病気は、生命にまったく影響しない軽度なものから、出生前に診断して早期に治療を行うことで問題なく発育するもの、ご病気とわかっていても現時点では治療法のないもの、致死的と判断される重篤なものまでさまざまです。

欧米ではエコーを用いて赤ちゃんのご病気を見つけることに積極的で、学会は赤ちゃんのお体のどこを見るかを定めた胎児スクリーニングガイドラインを作成しエコーを行う医師に遵守するよう求めています。またエコー機器の進歩に合わせてこのガイドラインも段階的に改定されていてスクリーニングの精度も高まってきています。

その一方で、日本は赤ちゃんのご病気を見つけることに欧米ほど積極的ではありません。その理由として日本は出生前診断に慎重であることが挙げられますが、実は医療サイドの問題として、産婦人科医師が大変忙しく時間がかかる胎児スクリーニングまで行うのは困難という実情が大きく関わっています。

そのため日本では欧米のようなガイドラインは作成されておらず、赤ちゃんをどこまで詳しく見るかはそれぞれの施設に一任されています。その結果、施設によって熱心に胎児スクリーニングを実施するところもあれば、ほとんどスクリーニングを行わないところもあり、胎児スクリーニングの精度に大きな施設間格差が生まれてしまっています。

ここで問題となるのが、胎児スクリーニングが十分行われていない施設に通われているお母さんです。もちろん、わかっていても治療法のないご病気をエコーで見つけることは命の選別につながることから賛否あります。しかし、出生前に診断して早期に治療を行えば問題なく発育するようなご病気、言い換えれば、出生前に診断されていないと赤ちゃんの命に関わるご病気まで見つけてもらえないのは悲しいことです。

当院では、「私の赤ちゃんは大丈夫かな?」とご心配されているすべてのお母さんやお父さんにご安心頂けることを願い胎児ドック外来を開設致しました。また、お母さんやお父さんにも赤ちゃんの大丈夫をご理解頂けるよう、できる限り解説を加えながら赤ちゃんを見ていくよう努めています。初期スクリーニングでは染色体のご病気だけでなくこの時期からわかるその他のご病気の有無も確認致します。中期スクリーニングでは赤ちゃんの詳細な観察が可能になるため頭蓋、脳、顔面、胸腔、心臓、腹壁、脊椎、腹腔、四肢の中の小さな構造を一つ一つ確認していきます。さらに、出生時に赤ちゃんが急変する可能性がある心臓のご病気に関しては心臓スクリーニングを胎児心臓病学会認証医がエコーを行いますので安心です。

「私は胎児スクリーニングをしてもらえているのかな?」お母さんはなかなか判断しづらいと思いますが、先生にご相談されるなどしてもしご不安な方は当院にご相談下さい。尚、これから妊婦健診を受けるご予定のお母さんは胎児スクリーニングを必ず受けて頂ける当院妊婦健診を候補に入れて頂けたら幸いです。

それでは、以下に当院で行っていますエコー検査やその他の出生前検査についてご紹介致しますね。

出生前診断の種類

出生前検査にはいくつかの種類があり、検査の時期や目的·特色が違います。当院では、以下の3つを行っています。

出生前診断の種類

1:染色体異常の確率を出す検査(初期超音波検査、コンバインド、クワトロテスト)

ダウン症候群を含め、多くの染色体異常児の出産は女性の加齢とともに増加するとされています。おおよその確率は表に示す通りです。もともとの頻度が高いわけではありませんので、加齢とともに増加すると言っても、過剰に心配する必要はないかもしれません。41歳では1/86とありますが、パーセントに直せば98.8%(85/86)はダウン症候群ではないことを示します。

母体年齢 ダウン症候群の頻度
20 1/1667
25 1/1250
30 1/952
35 1/385
37 1/243
39 1/147
41 1/86
43 1/50
45 1/29

以下に挙げました検査は、お母さんのご年齢にエコーや血液検査を加えることでダウン症などの染色体異常の予測精度を高めたものです。これらの検査を受けることで確率が下がり安心できることもありますが、逆に確率が上がることもあります。確率が上がった場合にどうされるか、すなわち染色体検査を受けられるのかどうか、あらかじめご夫婦でご相談なさることを勧めいたします。

おねがい:初期超音波検査をご希望のお母さんへ
初期スクリーニングは検査可能な妊娠週数が厳密に決まっています。検査ご希望日が必ず妊娠11週後半から13週前半になるようご予約をお取りください。

1.超音波検査のみ

11週後~13週

超音波検査で以下の項目をチェックし染色体異常の確率を計算します。

  • ①首の後ろのむくみNuchal
  • ②心拍数計測
  • ③鼻骨の計測
  • ④心臓の弁の逆流チェック
  • ⑤静脈管の血流測定

英国胎児医学財団(Fetal Medicine Foundation)に基づいて、専用のソフトウェアで確率を計算します。4Dエコーも行います。

13.18.21トリソミー形態異常

2.コンバインド

11週後~13週

超音波検査+母体の血液中の2つの成分(free βhCG・PAPP-A)を調べ、染色異常の確率を計算します。超音波検査のみより精度が増します。

クワトロテストとは違いますので注意してください。

18.21トリソミー形態異常

3.クアトロテスト™エコーはありません

15~17週

母体の血液中のAFP・非抱合型E3・hCG・InhibinA 4つの成分について調べる血清マーカー検査です。染色体異常の確率を計算します。

13.18.21トリソミー開放型神経管奇形

4.NIPT当院では行っていません

10~22週

検査するお母さんの血液で、目的とする染色体のDNA断片濃度を計算します。精度は極めて高いですが、この検査が可能な施設は限られています。

13.18.21トリソミーのみ

2:染色体異常の有無をはっきりさせる検査(羊水検査)
絨毛検査*
当院では行いません
羊水検査
当院で行っています
検査の時期 妊娠11-15 週 妊娠16週以降
検査による流産リスク 1/100 1/300
合併症 出血、感染、流産など 破水、感染、出血、流産など
イメージ 絨毛検査 羊水検査

*ご希望される方は他院をご紹介させて頂きます。

3:形態異常の有無を調べる検査(中期・心臓スクリーニング)
検査の種類 週数 検査の説明
中期スクリーニング
ベーシック# アドバンス*
「詳しい説明はこちら
18-23週 赤ちゃんの形態異常の詳細なチェックをします(大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、胃腸、腎臓、膀胱、外性器、四肢、臍帯、胎盤など)。この検査では、出生後に治療が必要なものから、必要ないものまで幅広く形態的な異常の有無を検査します。
心臓スクリーニング
ベーシック# アドバンス*
「詳しい説明はこちら
26-30週 胎児発育·健康度、羊水量、胎盤、臍帯の異常の有無を検査し、大きくなり観察しやすくなった心臓の検査をもう一度実施します。
後期スクリーニング 35週頃 ご出産に控え、発育は順調か、胎盤や臍帯に異常はないか、羊水量に異常はないかなども確認します。この時期になると赤ちゃんのお体の異常の有無を判断するは難しくなります。
  • #…ベーシックコース:国際産婦人科超音波学会ガイドラインに沿って検査します
  • *…(アドバンスコース):ベーシックコースに検査項目を増やしたコースでさらに精密な検査となります
    近日中にご提供させて頂く予定です。

Q&A

妊娠中期と心臓の超音波スクリーニング検査 なぜ必要なの?
妊妊娠中に赤ちゃんやお母さんのリスクを知ることで、いろんな準備ができます。
トラブルを予測することで、いろんな準備をすることができ、安全なお産につながります。また、出産後すぐに赤ちゃんに治療が必要なケースもありますので、先に赤ちゃんのリスクを知っておくことは赤ちゃんの健康や命に大きな意味があります。
中期スクリーニングについての詳しいご説明はこちら、心臓スクリーニングについての詳しいご説明はごちらをご覧ください。
全部の病気がわかるのですか?

「いいえ。残念ですが、わからないこともあります。」
超音波検査で診断できない病気には次のようなものがあります。

1.小さい病気など:赤ちゃん自身が小さいため小さな形の異常は見つけることが出来ません。皮膚の病気なども診断できません。また、超音波のビームが届かない場合(子宮の向き、子宮筋腫の合併、腹部の手術瘢痕、母体の肥満などのため)や赤ちゃんの向き、羊水の状態により診断が出来ない場合があります。

2.機能的な異常:超音波検査は主に形態的な異常を診断する検査です。各臓器の形の異常は確認できますが、働きがうまくいっているかどうかの診断は、心臓を除いて一般に困難です。 たとえば、耳が聞こえているか?目が見えているか?胃腸は丈夫か?などを評価することはできないのです。

3. 1. 染色体や遺伝子の異常:染色体異常とは染色体の数や構造の異常をいいます。遺伝子異常とは染色体を構成している遺伝子の異常です。超音波検査ではこれらの異常の診断はできません。ダウン症などの数種類の代表的な染色体異常の確率計算は可能です。

4Dエコー

「おなかの赤ちゃんは、どうやって過ごしているのかな?」
「動いている赤ちゃんを見てみたい」
お腹の赤ちゃんの様子がリアルタイムで見られるということで、エコーの日を楽しみにしているお母さんも多いのではないでしょうか?
特に、3D/4Dエコーでは、赤ちゃんが立体的にリアルタイムに見れます。タイミングや角度によっては赤ちゃんの表情やしぐさまでよく見えるので、ますます愛着がわくことでしょう。

Q&A

3Dとどう違うの?
3Dは立体的な静止画像ですので、動画ではありません。そこが4Dエコーとの違いです。3Dがカメラ、4Dがビデオと思っていただくとわかりやすいと思います。
4Dエコーに適した時期ってあるの?
一番、赤ちゃんの全身がきれいに見えるのは妊娠17週~23週まで、しっかりお顔が見えるのは羊水量が多い時期、26~28週ごろですが、お顔が見えるかどうかは運次第です(^-^)。早ければ妊娠12週~遅くても35週あたりまで見えますが、お腹の赤ちゃんがだいぶ大きくなったり、双子だったり、羊水が少なかったり、逆子だったり、ママがふくよかだったりすると見えにくくなります。
4Dエコーだけして欲しいんですが?
はい、行っています。他院で健診を受けていて4Dエコーのみ当院を希望の方もweb&電話予約できます。
4Dエコーにかかる費用は?
スクリーニング検査に加えて、5000円がかかります。USBメモリーに録画してお渡ししています。USBへの録画料金は必要ありません。

中期スクリーニングについて

超音波検査室で検査が終わったあと、よくお母さんと先生が交わされる会話です。
お母さん:「私の赤ちゃん大丈夫でしたか?」
先生:「問題ないですよ」
「問題ない」とお聞きしてホッとされているお母さん方も多いと思いのではないでしょうか?「問題ない」=「赤ちゃんのお体には明らかな異常がない」、と思っているお母さん方も多いと思います。先生の話される「問題ない」と「赤ちゃんのお体に奇形などの明らかな異常がない」という意味はちょっと違います。お母さんが心配している、「赤ちゃんには異常はない」を確かめるためには、詳しい超音波検査、つまり精密超音波検査が必要なんですね。当院では時間をかけて細かく赤ちゃんを見ていく精密超音波検査を受けていただくことができるので、お母さんにより安心したマタニティー生活を送って頂けると思います。

精密超音波検査とは胎児ドック、胎児形態スクリーニング、中期スクリーニングなどとも呼ばれていて、妊娠18週から20週くらいに行います。当院では、中期スクリーングと呼んでいます。
頭のてっぺんから足の先まで、赤ちゃんのお体の決められたチェックポイントを一つ一つ観察していく必要があり、1回の検査に時間がかかります。この検査ですべて異常がわかるというわけではありません。エコーでわからない病気や異常も、もちろん存在します。
ただ、赤ちゃんのお体の異常には、たとえ小さなものであっても、赤ちゃんの命に関わるご病気が多数あります。生まれる前にリスクがわかっていれば、生まれてくる赤ちゃんのために、準備をすることがきるので、赤ちゃんの健康や命を守ることができるということもあります。そのため、すべてのお母さんが精密超音波検査を受けることが望ましいと私どもは考えております。

ところが、出生前診断であるというナイーブな一面があること、検査で時間がかかるため手が回らない、胎児超音波検査に精通した医師や技師いない、といった理由で一部の医療機関にでしか行えないのが現状です。そのため、当院で健診を受けていない妊婦さんでも胎児超音波外来のみ、受診していただけるようにいたしました。

日本産婦人科学会が推奨するものより厳格な、国際産婦人科超音波学会のガイドライン(全身・脳・心臓)に沿って精密超音波検査を実施いたします。検査の時には、赤ちゃんのお体の決められたチェックポイントを順次ご説明いたします。また、さらに精密な検査をご希望されるお母さんにはチェックポイント増やしたアドバンスコースもご用意させて頂きましたので、赤ちゃんがとにかく心配、しっかり見てほしい!という方は、こちらをお申し込み下さい。

超音波診断装置としては最新最高峰VolusonE10をご用意しております。この超音波診断装置はその基本性能は言うに及ばず、4Dエコーも他製品には追随を許さない目を見張る表現力を有しています。4Dも精密超音波検査に併せてお申込み頂いたお母さんは、実際にリアルタイムで動いている赤ちゃんのかわいい映像もお楽しみ頂けると思っています。
ぜひ、当院での胎児スクリーニングをご受診ください。スタッフ一同、お待ちしています。

心臓スクリーニングについて

心臓スクリーニング?ちょっと聞きなれない言葉かもしれません。

この検査は名前の通り心臓をしっかり見る検査です。赤ちゃんがある程度大きくなって、心臓がよく見えるようになる26週から30週ぐらいに実施します。中期スクリーニングでも心臓はしっかり観察しますがこの時期の心臓は小さいため、心臓が大きくなったこの時期にもう一度検査をすることで安心を高めます。

なぜ心臓だけそんなに入念に検査をするのか?それは心臓のご病気が赤ちゃんに一番多いからです。およそ1000人に8~9人の赤ちゃんが心臓にご病気を持って生まれてきますが、その中でも300人に1人は重症で1年以内に手術が必要と言われています。お母さん方はダウン症のことは気にされますが、ダウン症の頻度は35歳のお母さんでおよそ350人に1人です。重症の心臓のご病気と頻度はあまり変わりません。もっと心臓のことも気にかけてあげませんか?

わざわざお腹の中にいる間に検査しなくても、生まれてからでいいんじゃない?と思われるお母さんもおられると思います。しかし、心臓のご病気には生まれた直後より分単位で容態が悪化するものがあり、そのような場合は適切な応急処置が必要になります。ご病気がわかっていない場合は、容態急変の原因が心臓にあることを判断する時間が必要で、その結果応急処置が遅れてしまいます。前もってわかっていればお産に向けてしっかり準備ができるので、生まれる前にわかっていればとても赤ちゃんにとって安心です。

当院では国際超音波学会のガイドラインに基づいた心臓スクリーニングをさせて頂きます。もし心臓に何か問題が見つかった場合は精密検査をさせて頂き安心してお産ができる施設をご紹介致します。心臓スクリーニングだけ当院でご希望頂いても大丈夫です。