卵巣がん
初期症状が出にくく「沈黙の臓器のがん」とも呼ばれる卵巣がん。
大阪市北区・南森町の婦人科で、卵巣の状態をていねいに確認します。
こんにちは。ふくだあやレディースクリニック院長の福田綾です。
「卵巣がんと聞くと不安だけれど、症状もないし大丈夫だろうか」「以前からチョコレート嚢胞があると言われているので心配」「家族に卵巣がんや乳がんの人がいる」——こうしたご不安を抱えてご来院される患者様が、当院にもいらっしゃいます。
卵巣がんは、初期には自覚症状がほとんど出にくいことから「沈黙の臓器のがん」とも呼ばれます。だからこそ、定期的に卵巣の状態を確認しておくことが大切です。このページでは、卵巣がんについて落ち着いて理解していただけるよう、その特徴や検査の流れを丁寧にご説明します。過度に怖がる必要はありませんが、正しく知っておくことが安心につながります。どうぞ最後まで読んでくださいね。
What is Ovarian Cancer?
卵巣がんとは
卵巣がんとは、卵巣に発生する悪性腫瘍です。卵巣は骨盤の奥深くにある小さな臓器で、初期には自覚症状がほとんどないため「沈黙の臓器のがん」とも呼ばれます。日本では年間約13,000人が新たに診断されており、婦人科がんの中では子宮体がんに次いで多い疾患です。
卵巣がんの約70%は発見時にすでにⅢ期以上の進行期であり、5年生存率は全体で約60%にとどまります。一方、早期(Ⅰ期)に発見できれば5年生存率は90%以上と高く、定期的な超音波検査による早期発見が非常に重要です。
Types
卵巣がんの種類
卵巣がんは、発生のもととなる細胞によっていくつかの種類に分けられます。種類によって発症しやすい年代や治療方針が異なります。
- 上皮性卵巣がん(約90%):漿液性・明細胞性・類内膜性・粘液性など。最も多いタイプ
- 胚細胞腫瘍:若い女性に多い。未熟奇形腫・卵黄嚢腫瘍など
- 性索間質腫瘍:顆粒膜細胞腫など。ホルモンを産生することがある
なお、子宮内膜症(チョコレート嚢胞)が長期間存在すると明細胞がんや類内膜がんへ変化するリスクがあることが知られています。卵巣嚢腫とも関わるため、合わせてご確認ください。
Symptoms
🔵 主な症状
卵巣がんは初期にはほとんど症状が出ません。進行すると次のような症状が現れることがあります。
- 初期はほぼ無症状
- 下腹部の張り・圧迫感・鈍痛
- 腹部膨満・お腹が大きくなる
- 食欲不振・胃もたれ・消化器症状
- 体重増加または急激な体重減少
- 頻尿・排尿障害
- 腰痛・下肢のむくみ(進行例)
- 腹水による腹部膨満(進行例)
これらの症状は他の疾患でも起こるため、「まさか卵巣がんとは思わなかった」という方も多くいます。気になる症状が続く場合は婦人科を受診してください。
Risk Factors
原因・リスク因子
- 排卵回数が多い:未経産・初経が早い・閉経が遅いなど、排卵が多いほどリスクが上昇します
- 子宮内膜症(チョコレート嚢胞):特に明細胞がん・類内膜がんのリスクが上昇します
- 遺伝(BRCA1/2遺伝子変異):遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)。家族歴がある方は遺伝カウンセリングをご検討ください
- 肥満・ホルモン補充療法:一部の卵巣がんタイプでリスク上昇の報告あり
- 低用量ピルの服用:卵巣がんリスクを約50%低下させることが知られています(予防的効果)
Diagnosis
診断方法
当院では以下の検査を組み合わせて、卵巣の状態や悪性の可能性を評価します。
- 経腟(経腹)超音波検査:卵巣の大きさ・内部構造・血流を確認します。最も基本的なスクリーニング検査です
- 腫瘍マーカー(CA125・CA19-9・AFP・HE4など):卵巣がんで上昇することがありますが、良性疾患でも上昇するため単独では確定診断に使いません
- CT・MRI検査:腫瘍の性状・広がり・転移の評価に用います
- 病理組織検査:手術で摘出した組織を調べることで確定診断します
初診の方・未性交の方は経腹エコー(お腹の上から)で対応しますのでご安心ください。CT・MRIによる精査が必要な場合は、近隣の連携施設へご案内します。
Treatment
🔵 治療法
卵巣がんの治療は、手術を中心に、化学療法や分子標的薬などを組み合わせて行います。病期・組織型・年齢・妊娠のご希望などを考慮して方針が決まります。
① 手術療法
卵巣がんの基本治療です。病期・組織型・年齢・妊娠希望を考慮して術式を決定します。標準術式は子宮全摘+両側付属器切除+大網切除+リンパ節郭清です。若い患者さんで早期の場合、片側付属器切除による妊孕性温存手術が検討されることもあります。
② 化学療法(抗がん剤)
手術後の補助化学療法として、カルボプラチン+パクリタキセル(TC療法)が標準的に用いられます。進行例・再発例でも化学療法が重要な役割を担います。
③ 分子標的薬・PARP阻害薬
BRCA遺伝子変異を持つ卵巣がんに対して、PARP阻害薬(オラパリブなど)が有効です。再発予防・維持療法として使用されます。
④ 免疫療法・血管新生阻害薬
ベバシズマブ(抗VEGF抗体)などの分子標的薬が進行・再発卵巣がんに使用されています。
低用量ピルの服用は卵巣がんリスクを約50%低下させるという報告があります。月経困難症・避妊目的での使用が、卵巣がん予防にも寄与します。
When to Visit
受診のタイミング
- 下腹部の張り・鈍痛・圧迫感が続く
- お腹が大きくなってきた・食欲がない
- 以前から卵巣嚢腫・チョコレート嚢胞を指摘されている
- 家族(母・姉妹)に卵巣がん・乳がんの方がいる
- 婦人科検診を長期間受けていない
卵巣がんは初期に症状が出にくい一方で、早期に発見できれば治療成績は大きく異なります。一つでも当てはまる方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。初診でも当日に超音波検査ができますので、卵巣の状態を確認しておくと安心です。がん検診と合わせて、定期的なチェックをおすすめします。
FAQ
🟤 よくあるご質問
Doctor's Message
院長より — 受診をためらっている方へ
「卵巣がんと聞くと怖いけれど、症状もないし、まだ大丈夫だろう」「忙しくて、つい検診を後回しにしていた」——そういった声をよく聞きます。
卵巣がんは初期に症状が出にくい一方で、早期に見つけられれば治療成績は大きく異なります。だからこそ、定期的に卵巣の状態を確認しておくこと、そして気になる症状が続くときに我慢せず受診していただくことが、とても大切なんです。特にチョコレート嚢胞を指摘されている方や、ご家族に卵巣がん・乳がんの方がいる場合は、一度きちんと評価しておくと安心につながります。
当院は女性医師による婦人科専門クリニックです。「こんなこと聞いていいのかな」という些細な疑問も、どうぞ遠慮なくおっしゃってください。検査の結果、心配のないものであれば安心していただけますし、注意が必要なものであれば早めに専門施設と連携して対応できます。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご予約くださいね。
ふくだあやレディースクリニック 院長 福田 綾(産婦人科専門医)
Clinic Information
クリニック情報・アクセス・ご予約
ふくだあやレディースクリニック(本院)
院長 福田 綾(産婦人科専門医)
〒530-0038
大阪府大阪市北区紅梅町1-6 カザリーノビル1階
TEL:06-6354-0088
アクセス
- 大阪メトロ 谷町線・堺筋線「南森町駅」4番出口より徒歩約4分
- JR東西線「大阪天満宮駅」9番出口より徒歩約1分
診療内容(本院)
婦人科・妊婦健診・子宮頸がん検診・医療脱毛など。婦人科疾患(卵巣嚢腫・子宮筋腫・内膜症・月経困難症等)はこちらの本院をご受診ください。
関連する疾患・ページ
- 卵巣嚢腫(一部に悪性が含まれることがある疾患)
- 子宮・乳がん検診
- 疾患について(一覧)
※ 本ページの内容は、日本産科婦人科学会ガイドライン・最新の医学的エビデンスに基づき、院長・福田綾が監修しています。個々の症状・治療については必ず医師にご相談ください。