繰り返すカンジダの再発抑制療法(自費診療)
大阪・南森町/大阪天満宮駅すぐ ふくだあやレディースクリニック
2026年9月14日(月)より、再発性カンジダに対する再発抑制療法(自費診療)を開始します。
このページの要点
- 症状をともなうカンジダ腟炎が年に4回以上くり返す状態を、再発性外陰腟カンジダ症といいます。女性のおよそ5〜9%にみられるとされています。
- 海外のガイドラインでは、急性期の治療に続けて抗真菌薬を週1回・6か月間内服する「再発抑制療法(維持療法)」が示されています。
- 日本国内で承認されているフルコナゾールの腟炎に対する用法は「150mgを1回内服」であり、週1回・6か月間の長期内服は承認された用法・用量の範囲外です。そのため公的医療保険の給付対象とならず、自費診療となります。
- 診察・おりもの検査などの診断は保険診療で行い、適応を確認したうえで、自費診療として再発抑制療法を開始します。
- 費用は導入療法4,000円、継続6か月20,000円、導入+継続6か月セット22,000円(いずれも税込・薬剤費)です。
こんな方はご相談ください
- 1年に4回以上、カンジダをくり返している
- 治療するとよくなるが、しばらくするとまたかゆみが出る
- 市販の再発治療薬でしのぐことが習慣になっている
- 毎回のかゆみや不快感で、仕事や睡眠に支障が出ている
- 「また再発するかもしれない」という不安が続いている
回数だけでなく、症状のつらさや生活への影響も大切な判断材料です。まずは原因を確かめるところからご相談ください。
再発性カンジダ(再発性外陰腟カンジダ症)とは
カンジダ腟炎は、カンジダという真菌(カビの仲間)が腟内で増えることで、強いかゆみ、白くポロポロしたおりもの、ヒリヒリ感などを起こす疾患です。多くの女性が一生に一度は経験するとされています。
このうち、症状をともなうエピソードが年に4回以上くり返される状態を「再発性外陰腟カンジダ症(RVVC)」と呼び、女性の約5〜9%にみられると報告されています。
カンジダは症状のない方の腟内にも存在することがあり、「いる=治療が必要」ではありません。かゆみやおりものの変化があってはじめて治療の対象になります。
まず「本当にカンジダか」を確認します
くり返すケースでは、次のような別の原因が隠れていることがあります。診断を確かめずに抗真菌薬をくり返しても改善しないため、当院では検査で確認することを重視しています。
- 細菌性腟症、トリコモナス腟炎などの他の腟炎
- ナプキンやおりものシート、洗浄剤による接触皮膚炎(かぶれ)
- 更年期以降の萎縮性腟炎による乾燥・かゆみ
- Candida albicans 以外の菌種(C. glabrata など)の関与
また、血糖コントロールが不良な糖尿病、抗菌薬やステロイドの使用、免疫を抑える治療などが背景にある場合は、あわせて見直していきます。
治療の流れ
STEP 1 診察・検査(保険診療)
症状と再発歴をうかがい、腟分泌物の鏡検・培養などでカンジダを確認します。再発をくり返す方や治りにくい方では、菌種の同定や薬剤感受性検査を検討します。
STEP 2 導入療法(自費診療)
Candida albicans による再発性カンジダで適応があると判断した場合、フルコナゾール150mgを1日目・4日目・7日目の計3回内服します。
STEP 3 維持療法(自費診療)
続いてフルコナゾール150mgを週1回、原則6か月間内服します。6か月は、再発を抑える効果と安全性のバランスから、海外のガイドラインで標準とされている期間です。
6か月で終了したあとは、経過を見ながら次の対応を検討します。副作用がある場合や妊娠を希望される場合は、ご相談のうえ期間を調整します。
内服スケジュール
当院ではフルコナゾール50mg錠を使用し、1回につき3錠(合計150mg)を内服していただきます。
| 時期 | 内服のしかた |
|---|---|
| 導入療法(1週目) | 1日目・4日目・7日目に、150mg(50mg×3錠)を1回ずつ内服(計3回) |
| 維持療法(2週目以降) | 週に1回、150mg(50mg×3錠)を内服。原則6か月間続けます |
毎週同じ曜日に内服すると忘れにくくなります。飲み忘れた場合は、気づいたときに1回分(3錠)を内服し、その後は元の曜日に戻してください。カレンダー式の説明用紙をお渡ししています。
料金(税込・自費診療)
| 内容 | 料金 |
|---|---|
| 導入療法(1週目・3回分) | 4,000円 |
| 継続1か月(週1回×4回分) | 5,000円 |
| 継続3か月(12回分) | 12,000円 |
| 継続6か月(24回分) | 20,000円 |
| 導入+継続6か月セット(27回分) | 22,000円 |
- 上記は薬剤費です。自費診療の診察料が別途かかります。
- 診断のための診察・おりもの検査は、原則として保険診療で行います。
- 治療の内容や期間により費用が変わる場合は、あらためてご説明します。
- お支払い後の返金は原則いたしかねます。
副作用・注意していただきたいこと
主な副作用
- 比較的みられるもの:吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状、頭痛、発疹、肝機能検査値の異常
- まれに起こりうる重い副作用:重度の肝機能障害、重症の皮膚障害(皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死症)、QT延長・不整脈、ショック・アナフィラキシー
体調の変化(発熱、発疹、強いだるさ、皮膚や白目が黄色くなる、動悸など)があれば、内服を中止して当院にご連絡ください。長期の内服にあたっては、必要に応じて血液検査で肝機能などを確認します。
妊娠・授乳中の方
フルコナゾールの内服は、妊婦または妊娠している可能性のある女性には使用できません。治療中は確実な避妊をお願いします。妊娠が判明した場合、または妊娠を希望される場合は、内服を中止して当院にご相談ください。授乳中の使用については個別にご相談ください。
併用できないお薬・注意が必要なお薬
一部の睡眠薬(トリアゾラム)、片頭痛薬(エルゴタミン製剤)、抗精神病薬、抗不整脈薬などは併用できません。ワルファリン、スルホニル尿素系の血糖降下薬、フェニトイン、免疫抑制薬などは注意が必要です。他院で処方されているお薬、市販薬、サプリメントは必ずすべてお申し出ください。お薬手帳をお持ちください。
効果について
海外のガイドラインおよび臨床試験では、維持療法を行っている期間中は多くの方で症状が抑えられたと報告されています。一方で、維持療法を終了したあとに再発する方が一定の割合でみられ、再発しなくなることを保証する治療ではありません。効果のあらわれ方には個人差があります。
また、C. glabrata などのアルビカンス以外の菌種では、フルコナゾールが効きにくいことがあります。その場合は別の治療を検討します。治療中に症状が再発・持続した場合は、自己判断で追加内服せず受診してください。
自費診療(承認された用法・用量以外での使用)に関する説明
■ 承認された用法・用量以外での使用であること
本治療で使用するフルコナゾールは、日本国内において「カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎」に対して150mgを1回経口投与する用法・用量で承認されています。本治療で行う週1回・6か月間の継続内服は、この承認された用法・用量の範囲外での使用となります。
■ 医薬品の入手経路
使用する医薬品は、日本国内で薬事承認を受け、国内の医薬品卸を通じて正規に流通しているものです。個人輸入した医薬品は使用していません。
■ 国内で承認されている同一の医薬品の有無
フルコナゾールは国内で承認されている医薬品です。カンジダ腟炎に対しては、抗真菌薬の腟錠・腟坐剤、外用クリーム、フルコナゾール150mgの単回内服が保険診療で行えます。まずはこれらの治療を行い、それでもくり返す場合の選択肢として本治療をご案内しています。
■ 諸外国における使用状況
週1回・6か月間の維持療法は、米国感染症学会(IDSA)の真菌症診療ガイドライン、米国CDCの性感染症治療ガイドライン、米国産科婦人科学会(ACOG)などにおいて、再発性外陰腟カンジダ症に対する標準的な方法として示されています。重篤な副作用の発生に関する各国の規制当局からの新たな注意喚起は、現時点で確認されていません。
■ 医薬品副作用被害救済制度について
承認された用法・用量以外での使用となるため、万一健康被害が生じた場合に、医薬品副作用被害救済制度による救済の対象とならない可能性があります。
治療開始前に、上記を記載した説明書をお渡しし、同意書へのご署名をいただいたうえで開始します。ご不明な点は、ご署名の前にどうぞご質問ください。治療はご本人の意思でいつでも中止でき、その後の診療で不利益をお受けになることはありません。
よくある質問
6か月内服すれば、カンジダは完全に治りますか?
6か月は海外のガイドラインで標準とされている維持療法の期間です。再発がゼロになることを保証するものではありませんが、多くの方で再発の回数や症状の程度が軽くなることが期待されます。終了後は経過をみながら次の対応を検討します。
保険は使えないのですか?
診断のための診察・おりもの検査、急性期の治療(腟錠・外用薬・フルコナゾール150mgの単回内服)は保険診療で行えます。一方、週1回・6か月間の長期内服は国内で承認された用法・用量の範囲外であるため、保険給付の対象とならず自費診療となります。
妊娠を希望していますが受けられますか?
治療中は確実な避妊が必要なため、妊娠を希望される時期には行いません。妊娠中・妊娠の可能性のある方は内服できません。妊娠をご希望の場合は、腟錠や外用薬を中心とした別の方法をご提案します。
市販の再発治療薬とはどう違いますか?
市販の腟カンジダ再発治療薬は、過去に医師の診断・治療を受けたことのある方の再発に対して、症状が出たときに使うお薬です。本治療は、症状が出る前の段階で再発そのものを抑えることを目的としています。年に4回以上くり返している場合は、市販薬でしのぐより一度検査を受けていただくことをおすすめします。
飲み忘れたときはどうすればよいですか?
気づいたときに1回分(50mg×3錠)を内服し、その後は元の曜日に戻して続けてください。ご不安な場合はご連絡ください。
途中でやめることはできますか?
いつでも中止できます。中止された場合でも、その後の診療で不利益をお受けになることはありません。
パートナーの治療は必要ですか?
再発性カンジダでは、パートナーの治療によって女性側の再発が減るという十分な根拠は示されていません。ただし、性交渉のたびに症状が出る場合など、状況によってはご相談のうえ検討します。
参考:Infectious Diseases Society of America「Clinical Practice Guideline for the Management of Candidiasis」、CDC「Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines」、ACOG、日本性感染症学会「性感染症 診断・治療ガイドライン」、各薬剤の添付文書
最終更新:2026年9月6日 監修:院長 福田 綾(産婦人科専門医)