プレコンセプションケア
「いつか子どもがほしい」と思ったら。
妊娠前から始めるからだづくりを、大阪市北区・南森町の婦人科がサポートします。
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠に備えて、妊娠前から自分のからだと生活習慣を整えておくケアのことです。柱となるのは「葉酸の摂取」「風疹などのワクチン・抗体の確認」「感染症のチェック」「生活習慣の見直し」の4つ。特に葉酸は、妊娠の1ヶ月以上前から1日400〜800μgのサプリメントで摂取することが国際的に推奨されています。
こんにちは。ふくだあやレディースクリニック院長の福田綾です。
「まだ具体的な予定はないけれど、いつかは子どもがほしいな」「自分のカラダの状態を知っておきたい」——そんな風に考える女性が増えています。将来の健康のために、今からできるカラダづくりのことをプレコンセプションケアと言います。実は今、大阪市はこうした女性へのサポート体制がとても充実しているんですよ。
The Basics
プレコンセプションケアの基本として大切なこと
国際的なガイドラインでも推奨されている、将来のすこやかな毎日のために大切な基本の要素をご紹介します。
① 適切な葉酸の摂取
お腹の赤ちゃんのすこやかな発育をサポートするため、妊娠の1ヶ月以上前から1日400〜800μgの葉酸サプリメントを摂取することが推奨されています。
② 予防接種状態の確認
特に風疹の抗体やB型肝炎、水痘(みずぼうそう)などの免疫があるか確認し、必要に応じて接種を検討します。詳しくはワクチン外来のページもご覧ください。
③ 感染症のスクリーニング
梅毒やHIVなど、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性のある感染症の有無を事前に確認します。
④ 生活習慣の評価と見直し
禁煙や節酒、お薬の服用状況の確認、適正体重の維持など、健康的なベースを整えます。
Folic Acid
葉酸が必要な理由
赤ちゃんの脳と脊髄を守るためです。妊娠のごく初期(妊娠4週頃まで)に、赤ちゃんの脳と脊髄のもとになる「神経管」という重要な部分が作られます。この時期に葉酸が不足していると、神経管がうまく閉じず、「神経管閉鎖障害」という先天異常が起こることがあります。
神経管閉鎖障害とは
- 二分脊椎(にぶんせきつい):背骨がうまく閉じず、下半身の麻痺や排泄障害などが起こることがあります
- 無脳症:脳が十分に発達できない、重篤な状態です
- 脳瘤(のうりゅう):頭蓋骨の一部が閉じず、脳の一部が外に出てしまう状態です
なぜ妊娠前から必要なの?
神経管が作られるのは妊娠に気づく前の時期です。妊娠検査薬で陽性が出る頃には、すでに神経管の形成はほぼ終わっています。そのため、「妊娠してから飲み始める」では遅いのです。
また、日本では約半数の妊娠が予定外というデータもあり、「いつか妊娠する可能性がある」すべての女性に、日々の葉酸摂取が推奨されています。
どれくらい飲めばいいの?
- 1日400〜800μg(マイクログラム)の葉酸サプリメントを毎日飲む
- 妊娠の1ヶ月以上前から飲み始める
- 妊娠初期(12週頃)まで続ける
効果はどれくらい?
葉酸をきちんと摂取することで、神経管閉鎖障害の発生を70〜79%程度減らせると考えられています。国際的な大規模研究(コクランレビューや米国予防サービス特別委員会の報告など)でも、妊娠前からの適切な葉酸サプリメントの摂取が、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害(先天異常)のリスクを減らすために有効であることが確認されています。
食事だけでは足りないの?
葉酸は緑黄色野菜、豆類、果物などに含まれていますが、食事だけでは必要量を摂るのが難しいため、サプリメントでの摂取が推奨されています。
安全性は?
推奨量(400〜800μg)の葉酸サプリメントは、お母さんにも赤ちゃんにも安全性が高いことが確認されています。
まとめ:葉酸は「赤ちゃんの脳と脊髄を守るビタミン」です。妊娠に気づく前から必要なので、妊娠を考えている方は、今日から1日400〜800μgの葉酸サプリメントを始めましょう。
Osaka City Support
知っておきたい!大阪市の充実したサポート制度
大阪市では、将来子どもを望む方々を後押しするため、様々な取り組みを行っています。
不妊検査に関わる費用負担の軽減
子どもを望むご夫婦が、早期に体調のチェックを受けられるよう、費用の一部を補助する制度が用意されています。
※各制度には、対象年齢や所得、対象となる検査などの条件があります。詳細や最新情報は大阪市の公式ホームページをご確認ください。
不妊症の検査や治療について詳しくは、不妊症のページもあわせてご覧ください。
Check-up at Clinic
婦人科でのチェックについて
プレコンセプションケアとして、当院のような婦人科では以下のような確認や健康についてのお話を行っています。症状がない場合は自由診療(自己負担)となります。
① 超音波(エコー)検査
子宮や卵巣の様子にトラブルがないかをチェックします。
② 感染症・抗体検査
風疹の抗体価や、各種感染症のスクリーニング血液検査を行います。
③ AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査
卵巣の中に残っている卵子の発育プロセスの目安を測る、主に不妊症の評価に用いられる検査です。
AMH検査に関する大切な注意点:AMH検査は不妊症の初期評価や治療方針の決定に用いられるものであり、健康な女性の将来の妊娠の可能性や、自然妊娠のしやすさを正確に予測するものではありません。数値の解釈には専門医による総合的な確認が必要です。
「まだ具体的な話は先だから…」と思う必要は全くありません。今からご自身の健康状態や生活習慣を見つめ直すことは、これからの大切なライフプランニングへの素晴らしい第一歩です。結婚や妊娠を控えた方の総合的な検査をご希望の場合は、ブライダルチェックのページもご覧ください。
FAQ
よくあるご質問
Doctor's Message
院長より — 将来のために、今できる選択を
将来のために、今できる優しい選択を始めてみませんか?女性特有のデリケートなお悩みも、いつでもお気軽にお声がけください。
※各種制度の詳細や最新の要件については、必ず大阪市等の自治体発表をご確認ください。個々の体調やライフプランに応じた検査のご相談は当院にて承っております。
ふくだあやレディースクリニック 院長 福田 綾(産婦人科専門医)
Clinic Information
クリニック情報・アクセス・ご予約
ふくだあやレディースクリニック(本院)
院長 福田 綾(産婦人科専門医)
〒530-0038
大阪府大阪市北区紅梅町1-6 カザリーノビル1階
TEL:06-6354-0088
アクセス
- 大阪メトロ 谷町線・堺筋線「南森町駅」3番・5番出口より徒歩約3分
- JR東西線「大阪天満宮駅」9番出口より徒歩約1分
診療内容(本院)
婦人科・妊婦健診・子宮頸がん検診・ブライダルチェックなど。プレコンセプションケアのご相談は当院(本院)をご受診ください。
※ 本ページの内容は、国内外のガイドライン・最新の医学的エビデンスに基づき、院長・福田綾が監修しています。個々の症状・検査については必ず医師にご相談ください。
参考文献:
- ACOG Committee Opinion No.773:不妊治療を求めていない女性における抗ミュラー管ホルモン(AMH)の使用(2019)
- ACOG Committee Opinion No.762:妊娠前カウンセリング(2019)
- Cooper KM, et al. Preconception Care and Counseling. JAMA(2026)
- Close ED, et al. Preconception Counseling and Care. American Family Physician(2023)
- 米国予防サービス特別委員会(USPSTF):神経管欠損症予防のための葉酸補給に関する勧告声明(2017/再確認2023)およびエビデンスレポート(2023)
- ACOG Practice Bulletin No.187:神経管欠損症(2017)
- De-Regil LM, et al. コクラン・システマティックレビュー:経口葉酸サプリメント摂取による先天異常予防の効果と安全性(2015)/葉酸による穀粉強化と健康アウトカム(2019)