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【ご注意・免責事項】 本ページの情報は、一般的な医学知識の提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療を推奨するものではありません。症状や状態は個人によって大きく異なります。自己判断による診断・治療は思わぬ健康被害につながる場合がありますので、気になる症状がある場合は必ず医師にご相談ください。本ページの情報に基づく行動によって生じたいかなる損害についても、当院は責任を負いかねます。
ふくだあやレディースクリニック 婦人科
Period Pain in Teens

10代の生理痛とピル — 保護者の方へ

「ピル=避妊薬」というイメージだけで、治療の選択肢を閉ざさないでください。
お子さんと一緒に、正しい情報を確かめましょう。

大阪市北区・南森町のふくだあやレディースクリニック 院長の福田綾です。

外来には、生理痛で学校を休んでしまう中高生の患者さんが来られます。ご本人は「ピルを試してみたい」と思っていても、保護者の方は「ピルなんてまだ早い」「体に悪いのでは」と心配される——そんな場面に、これまで何度も立ち会ってきました。

お子さんを守りたいからこそのご心配だと思います。このページは、保護者の方に向けて、生理痛の治療として使うピルについて知っておいていただきたいことをまとめたものです。

Treatment, Not Only Contraception

「ピル=避妊のため」ではありません

「ピル」と聞くと避妊を思い浮かべる方が多いと思います。けれども医療の現場では、月経困難症(つらい生理痛)の治療薬として処方されることがとても多いお薬です。

日本では、月経困難症の治療を目的とした低用量ピルはLEP(エルイーピー)製剤と呼ばれ、健康保険が使える治療薬として承認されています。海外の系統的レビューや診療ガイドラインでも、鎮痛薬と並ぶ標準的な治療の一つに位置づけられています。

お子さんへの処方は、あくまで「痛みを治療するため」のもの。ここをまず押さえておいてください。

Period Pain Is Not Something to Endure

生理痛は、治療していい症状です

思春期の生理痛の多くは、生理のときに子宮の内側で増えるプロスタグランジンという物質が、子宮を強く縮ませることで起こります。「気持ちの問題」でも「大人になれば治るもの」でもなく、きちんとした治療法がある体の状態です。

また、痛みの原因として子宮内膜症などの病気が見つかることもあります。子宮内膜症は10代から始まることがあり、早く対処することで進行を抑えられる可能性があります。

こんなときは、一度婦人科へ

  • 生理のたびに学校や部活を休む・早退する
  • 市販の痛み止めを飲んでも効かない、飲む量が増えている
  • 痛みで吐いてしまう、横になっていないと過ごせない
  • 生理の量が多く、夜用ナプキンでも1〜2時間でもれる
  • 生理のとき以外にもお腹や腰が痛む

海外の大規模な調査では、生理痛のために若い女性の約5人に1人が学校を休み、約4割が授業中の集中力の低下を感じていたと報告されています。毎月数日の不調が何年も積み重なれば、学業や部活動、進路の選択にまで影響しかねません。痛みに合った治療を選ぶことは、お子さんが毎日を思いきり過ごすための後押しになります。

Treatment Steps

治療の進め方と、ピルを始められる時期

治療は、お子さんの年齢、生理が始まってからの年数、痛みの程度をみて組み立てます。

① 鎮痛薬を上手に使う

痛み止め(NSAIDs)は、痛みが強くなる前、生理が始まったらすぐに飲むと効果を発揮しやすくなります。「なるべく飲まないように」とがまんしてから飲むと、効きにくくなります。まずは正しい飲み方をお伝えします。

② 低用量ピル(LEP)

鎮痛薬で十分にコントロールできないとき、または鎮痛薬と組み合わせて用いる治療です。排卵を抑え、子宮内膜を薄く保つことで、痛みのもとになる物質を減らします。生理の量が減る、周期が整う、予定が立てやすくなるといった利点もあります。

始められる時期について

ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、骨の成長にも関わるホルモンです。そのため、初経から間もない時期や、まだ身長がぐんぐん伸びている時期には、ピル以外の方法(鎮痛薬の使い方の工夫や漢方薬など)を優先することがあります。何歳から使えるかは一律ではないため、身長の伸び方や生理の状況をうかがって、お一人おひとり判断します。

③ その他の選択肢

漢方薬や、黄体ホルモン製剤など、お一人おひとりに合わせた治療もあります。月経困難症の治療全体については月経痛(月経困難症)のページで詳しく解説しています。

Side Effects & Safety

副作用と安全性 — 保護者の方がいちばん心配されること

よくあるご心配実際のところ
副作用が怖い飲み始めの数か月は、少量の不正出血・吐き気・頭痛・胸の張りが出ることがありますが、多くは続けるうちに軽くなります
血栓症が心配最も注意すべき副作用ですが、若い方では起こる頻度は低いとされています。処方前に、喫煙、片頭痛(前兆のあるもの)、血栓症の家族歴、肥満などを確認し、リスクの高い方には使いません
将来、妊娠しにくくなるのではやめれば排卵は戻り、ピルを使ったことのない方とほぼ同じように妊娠できることが、多くの研究で確かめられています(ピルと妊よう性)
体重が増えるのでは低用量ピルで体重が大きく増えるという明確な根拠は示されていません。むくみを感じる方はいます
長く飲み続けて大丈夫?定期的な診察で問題がないことを確認しながら、続けることができます(ピルの長期服用の安全性)

服用中は定期的に通院していただき、血圧の測定や体調の確認を行います。ふくらはぎの痛みや腫れ、急な息苦しさ、激しい頭痛など、血栓症を疑う症状があればすぐに受診していただくよう、ご本人にも保護者の方にもお伝えしています。

Your First Visit

受診について — 内診は必要ありません

  • 性交渉の経験がない方に、内診は行いません。必要に応じてお腹の上からの超音波(経腹エコー)で子宮や卵巣の様子を確認します
  • 保護者の方とご一緒の受診も歓迎です。診察室でご一緒に説明を聞いていただけます
  • お子さんご自身の言葉で話す時間も大切にしています。症状や困っていることを、本人から聞かせてもらうこともあります
  • 生理の記録があると診察がスムーズです。生理の日数・量・痛みの強さ・学校を休んだ日などを、アプリや手帳でメモしておいてください

「自分で治療を選びたい」というお子さんの気持ちは、成長のあらわれでもあります。米国小児科学会は、子どもが年齢とともに医療の説明を理解し、自分の考えを持てるようになっていくことを踏まえ、本人の意見を医療の判断に取り入れていくことを勧めています。保護者の方の役割はとても大切ですが、そのうえで本人の気持ちも尊重しながら、ご家族で一緒に選んでいただければと思います。

日本では18歳になると成年として扱われ、治療を自分の判断で決められるようになります。

FAQ

よくあるご質問

Q. 中学生でもピルを飲めますか?
A. 年齢だけで一律には決まりません。初経から間もない時期や、まだ身長が伸びている時期は、骨の成長への配慮から、鎮痛薬の使い方の工夫や漢方薬などを優先することがあります。生理の状況や成長の様子をうかがって判断します。
Q. 生理痛の治療のピルは保険が使えますか?
A. はい。月経困難症の治療を目的とした低用量ピル(LEP製剤)は保険診療で処方されます。避妊を目的とする場合は自費診療となります。
Q. ピルを飲むと、将来妊娠しにくくなりませんか?
A. ピルをやめると排卵は再開し、その後の妊娠率はピルを使っていなかった方と変わらないことが、複数の研究のまとめで示されています。将来の妊娠への悪影響を心配する必要は少ないと考えられています。
Q. 娘が婦人科を受診するとき、内診はありますか?
A. 性交渉の経験がない方に内診は行いません。必要に応じて、お腹の上から超音波で子宮や卵巣を確認します。
Q. 子どもだけで受診してもいいですか?
A. 未成年の方の治療では、保護者の方のご理解・ご同意をいただくことがあります。ご本人だけで受診を考えている場合は、事前にお電話でご相談ください。保護者の方とご一緒の受診も歓迎しています。

Doctor's Message

院長より — 保護者の方へ

お子さんの体を心配して慎重になるのは、保護者として当然のことです。そのうえで、ピルについての不安の多くは、昔のイメージや断片的な情報から来ていることも少なくありません。

月経困難症の治療としての低用量ピルは、数多くの研究にもとづいて国内外で使われている治療です。気になることは、お子さんと一緒に診察室で直接たずねてください。ご家族が納得できるまで、何度でもご説明します。

ピル外来全体のご案内はピル外来のページ、生理の悩みを症状から探すには生理・月経のお悩みのページをご覧ください。

ふくだあやレディースクリニック 院長 福田 綾(産婦人科専門医)

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クリニック情報・アクセス・ご予約

ふくだあやレディースクリニック(本院)

院長 福田 綾(産婦人科専門医)

〒530-0038
大阪府大阪市北区紅梅町1-6 カザリーノビル1階

TEL:06-6354-0088

アクセス

  • 大阪メトロ 谷町線・堺筋線「南森町駅」3番・5番出口より徒歩約3分
  • JR東西線「大阪天満宮駅」9番出口より徒歩約1分

このページの内容について

月経困難症の治療(保険診療)は、婦人科外来で承ります。保護者の方とご一緒の受診も歓迎しています。

ご予約・お問い合わせ

WEB・LINE予約は24時間受付中。お待ちの時間を短縮できます。

料金については料金ページをご参照ください。

参考文献・参考情報:本ページは、院長ブログで取り上げたテーマをもとに、以下の学会・公的機関の公開情報や論文を参照して当院が書き下ろしたものです。

  • 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」
  • 日本産科婦人科学会(https://www.jsog.or.jp/citizen/)
  • Schroll JB, et al. Combined oral contraceptive pill for primary dysmenorrhoea. Cochrane Database Syst Rev. 2023.
  • Armour M, et al. The Prevalence and Academic Impact of Dysmenorrhea in 21,573 Young Women: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Womens Health. 2019;28(8):1161-1171.
  • Girum T, Wasie A. Return of fertility after discontinuation of contraception: a systematic review and meta-analysis. Contracept Reprod Med. 2018;3:9.
  • American Academy of Pediatrics, Committee on Bioethics. Informed Consent in Decision-Making in Pediatric Practice. Pediatrics. 2016.

※ 本ページの内容は、日本産科婦人科学会ガイドライン・最新の医学的エビデンスに基づき、院長・福田綾が監修しています。個々の症状・治療については必ず医師にご相談ください。

最終更新:2026年10月20日 監修:院長 福田 綾(産婦人科専門医)
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