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【ご注意・免責事項】 本ページの情報は、一般的な医学知識の提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療を推奨するものではありません。症状や状態は個人によって大きく異なります。自己判断による診断・治療は思わぬ健康被害につながる場合がありますので、気になる症状がある場合は必ず医師にご相談ください。本ページの情報に基づく行動によって生じたいかなる損害についても、当院は責任を負いかねます。
ふくだあやレディースクリニック 婦人科診察室
Hair Thinning after Menopause

更年期・閉経後の薄毛

分け目が広がってきた、地肌が透けて見える。
「年齢のせい」で片づける前に、確かめたいことがあります。

大阪市北区・南森町のふくだあやレディースクリニック 院長の福田綾です。

更年期外来で、ほてりや不眠のお話のあとに「実は髪も……」と打ち明けられることがあります。「閉経してから分け目が目立つ」「つむじのあたりの地肌が透けて見える」。実は私も最近、分け目の地肌が気になって髪の分け方を変えたばかりです。

このページでは、更年期・閉経後に多い薄毛のタイプと、見逃したくない別の原因、どこに相談すればよいか、そして多くの方が気にされる「HRTで髪は増えるのか」について、いま分かっていることをまとめました。

Why It Happens

なぜ閉経のころに髪が薄くなるの?

閉経前後から頭頂部や分け目の髪のボリュームが減ってくる場合、最も多いのは女性型脱毛症(FPHL:Female Pattern Hair Loss)です。

髪は、頭皮の中の「毛包(もうほう)」という袋で育ちます。閉経でエストロゲンが減ると、相対的に男性ホルモンの影響を受けやすくなり、体質によっては毛包が少しずつ小さくなっていきます。すると、太くしっかりした髪が、細く短い髪に置き換わっていきます。抜ける本数が急に増えるというより、1本1本が細くなって全体が薄く見えるのが特徴です。

女性型脱毛症で多い見え方

  • つむじ周りや分け目、おでこ寄りの髪がまばらになる(分け目の線が太く見える)
  • 後頭部や側頭部の髪は比較的保たれる
  • 男性のように生え際が大きく後退することは少ない
  • 毛穴そのものは残っている(治療で改善が期待できる余地がある)

Other Causes

見逃したくない、ほかの原因

タイプ特徴関わること
休止期脱毛頭全体からまんべんなく抜ける。シャンプーやブラッシングで抜け毛が急に増えたと感じる甲状腺の病気、鉄不足(貯蔵鉄=フェリチンの低下)、急な体重減少、大きな病気や手術、強いストレスなど。女性型脱毛症と重なって起こることも
前頭部線維化性脱毛症おでこの生え際が帯状に下がってくる。生え際の毛穴が赤くなったり、つるっとして見えなくなったりする。眉毛が薄くなることも閉経後に起こりやすい、毛穴そのものが失われていくタイプ。失われた毛穴は回復しにくいため、気づいたら早めに皮膚科へ
男性ホルモンが過剰になる病気薄毛に加えて、急に体毛が濃くなる、声が低くなる、ニキビが増えるまれに卵巣や副腎の腫瘍などが隠れていることがあり、検査が必要

鉄不足は、閉経前に月経の量が多かった方(過多月経や子宮筋腫がある方)でよくみられます。鉄欠乏性貧血や甲状腺疾患のページもあわせてご覧ください。

When to Visit

早めに受診してほしいサイン

  • 数か月のうちに急に薄くなった、抜け毛が急に増えた
  • 生え際や頭皮に赤み・かゆみ・痛み・ふけが続く
  • 眉毛も薄くなってきた
  • 体毛が急に濃くなった、声が低くなったなど、ほかの体の変化がある
  • だるさ・息切れ・むくみ・寒がりなど、貧血や甲状腺の病気を思わせる症状がある

どこに相談すればいいの?

髪そのものの診断と治療は、皮膚科(毛髪外来)が専門です。拡大鏡で頭皮や毛穴を観察する検査(トリコスコピー)などで、脱毛のタイプを見分けます。

とはいえ、髪の変化はほてりや不眠と同じ時期に重なって起こることが多く、「皮膚科と婦人科、どちらに行けば?」と迷われる方もたくさんいます。婦人科では、月経や閉経の経過、ほかの更年期症状とあわせてお話をうかがい、必要に応じて血液検査(甲状腺ホルモン、フェリチン、ビタミンD、必要な場合は男性ホルモン関連)を行ったうえで、皮膚科をご紹介します。

Treatment

治療について

① ミノキシジルの外用薬

女性型脱毛症の治療で、最も根拠がそろっているのがミノキシジルの外用薬(頭皮に塗るお薬)です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも、女性の薄毛に対して勧められる治療とされています。女性用の製品は薬局でも購入できます(薬剤師の説明が必要な医薬品です)。効果を実感するまでには数か月単位の時間がかかり、使い始めに一時的に抜け毛が増えることもあります。

② 原因に応じた治療

鉄不足があれば鉄の補充、甲状腺の病気があればその治療を行います。休止期脱毛は、原因が取り除かれると数か月かけて回復していくことが多いタイプです。

③ 飲み薬などについて

ミノキシジルの飲み薬や、男性の薄毛に使われる飲み薬などは、国内では女性の薄毛の治療薬として承認されておらず、副作用の面からも向き・不向きがあります。個人輸入やインターネット購入で自己判断で使うことはおすすめしません。皮膚科の毛髪外来で相談するのが安心です。

ヘアケアでは、強いブラッシングやきつく結ぶ髪型を避け、頭皮をやさしく洗うことも大切です。分け目を時々変えるだけでも、見た目の印象は変わります。

Does HRT Help?

ホルモン補充療法(HRT)で髪は増えるの?

「閉経で薄くなったのなら、ホルモンを足せば元に戻るのでは」——多くの方がそう考えますし、私自身も期待して論文を調べました。

結論からお伝えすると、現時点では「HRTで薄毛が改善する」という確かな根拠はありません。

これまでの報告受け止め方
HRTを始めてから前頭部の髪が増えたという報告対象者が数人〜十数人程度の小さな研究のみ
始めてしばらくの間、一時的に抜け毛が増えたという報告髪の生え変わりの周期が動くためと考えられる
男性ホルモンを含む製剤で脱毛が進む可能性製剤の選び方に注意が必要
HRTと前頭部線維化性脱毛症との関連を指摘する報告因果関係ははっきりしていない

報告によって結論がばらばらで、国際閉経学会なども薄毛や肌の衰えだけを目的にHRTを開始することは推奨していません。正直にお伝えすると、HRTを続けている私の髪も、増えてはいません。

HRTは、ほてり・発汗・不眠などの更年期症状や、骨の健康のために行う治療です。髪のことは、そうした目的でHRTを受けるときに、あわせて主治医に相談しておく項目と考えてください(更年期のホルモン補充療法(HRT))。

なお、海外製の「エストロゲン入り育毛剤」などを自己判断で使うと、思わぬ不正出血などにつながるおそれがあり、おすすめしていません。

FAQ

よくあるご質問

Q. 閉経してから髪が薄くなりました。何科に行けばいいですか?
A. 髪そのものの診断と治療は皮膚科(毛髪外来)が専門です。ほかの更年期症状もある場合は婦人科でもご相談いただけます。当院では、血液検査で貧血や甲状腺の病気などがないかを確認し、必要に応じて皮膚科をご紹介します。
Q. ホルモン補充療法(HRT)をすれば髪は増えますか?
A. 現時点では、HRTで薄毛がよくなるというしっかりした裏付けはありません。国際閉経学会なども、薄毛だけを目的にHRTを始めることは推奨していません。HRTは、ほてりや不眠などの更年期症状や骨の健康のために行う治療です。
Q. 女性の薄毛に効く治療はありますか?
A. 女性型脱毛症では、ミノキシジルの外用薬が最も根拠のそろった治療とされ、女性用の製品は薬局でも購入できます。効果を実感するまで数か月かかります。鉄不足や甲状腺の病気が原因になっている場合は、その治療を行います。
Q. 急に抜け毛が増えたのですが、更年期のせいですか?
A. 頭全体から急に抜け毛が増えた場合は、休止期脱毛の可能性があり、甲状腺の病気や鉄不足、急な体重減少、ストレスなどが関わることがあります。年齢のせいと決めつけず、一度血液検査を受けてみましょう。
Q. 生え際が後退して、眉毛も薄くなってきました。
A. 閉経後に起こりやすい前頭部線維化性脱毛症かもしれません。一度失われた毛穴は戻りにくいとされるため、早めに皮膚科を受診してください。

Doctor's Message

院長より — 髪のお悩みも、どうぞ遠慮なく

当院では、髪そのものの専門的な治療は行っていません。それでも、ほてりや不眠、気分の落ち込みと一緒に髪の変化にも悩んでいる方は、外来で本当によくお会いします。

私も今まさに鏡の前で分け目と向き合っている一人です。「こんなことを婦人科で話していいのかな」と思わずに、ほかの症状と一緒にお聞かせください。必要な検査をしたうえで、専門の医療機関へおつなぎします。

ふくだあやレディースクリニック 院長 福田 綾(産婦人科専門医)

Clinic Information

クリニック情報・アクセス・ご予約

ふくだあやレディースクリニック(本院)

院長 福田 綾(産婦人科専門医)

〒530-0038
大阪府大阪市北区紅梅町1-6 カザリーノビル1階

TEL:06-6354-0088

アクセス

  • 大阪メトロ 谷町線・堺筋線「南森町駅」3番・5番出口より徒歩約3分
  • JR東西線「大阪天満宮駅」9番出口より徒歩約1分

このページの内容について

更年期のご相談・ホルモン補充療法・漢方治療は婦人科外来で承ります。毛髪の専門的な治療は行っていないため、必要に応じて皮膚科をご紹介します。

ご予約・お問い合わせ

WEB・LINE予約は24時間受付中。お待ちの時間を短縮できます。

料金については料金ページをご参照ください。

参考文献・参考情報:本ページは、院長ブログで取り上げたテーマをもとに、以下の学会・公的機関の公開情報や論文を参照して当院が書き下ろしたものです。

  • 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(https://www.dermatol.or.jp/)
  • Olsen EA. Hair Loss in Women. N Engl J Med. 2025;393(15):1509-1520.
  • Starace M, et al. Female Androgenetic Alopecia: An Update on Diagnosis and Management. Am J Clin Dermatol. 2020;21(1):69-84.
  • Hirschberg AL. Approach to Investigation of Hyperandrogenism in a Postmenopausal Woman. J Clin Endocrinol Metab. 2023;108(5):1243-1253.
  • 日本女性医学学会(https://www.jmwh.jp/)

※ 本ページの内容は、日本産科婦人科学会ガイドライン・最新の医学的エビデンスに基づき、院長・福田綾が監修しています。個々の症状・治療については必ず医師にご相談ください。

最終更新:2026年10月21日 監修:院長 福田 綾(産婦人科専門医)
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