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【ご注意・免責事項】 本ページの情報は、一般的な医学知識の提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療を推奨するものではありません。症状や状態は個人によって大きく異なります。自己判断による診断・治療は思わぬ健康被害につながる場合がありますので、気になる症状がある場合は必ず医師にご相談ください。本ページの情報に基づく行動によって生じたいかなる損害についても、当院は責任を負いかねます。
ふくだあやレディースクリニック 婦人科診察室
Hormone Replacement Therapy

更年期のホルモン補充療法(HRT)

飲む・塗る・貼る。HRTのお薬は一つではありません。
暮らしと体質に合う形を一緒に選びましょう。

大阪市北区・南森町のふくだあやレディースクリニック 院長の福田綾です。

更年期のご相談で、「HRTって飲み薬だけですか?」「貼り薬と塗り薬は何が違うの?」「プラセンタ注射とはどう違うんですか?」と聞かれることがよくあります。実は私自身も50代に入ってからHRTを続けている一人で、お薬選びに迷う気持ちはよくわかります。

このページでは、更年期障害の治療の柱であるホルモン補充療法(HRT)について、お薬の種類と選び方、始めてからの過ごし方、そしてプラセンタ注射との違いを整理しました。更年期障害そのものについては更年期障害のページをご覧ください。

The Basics

HRTの基本は「補うホルモン」と「守るホルモン」

閉経の前後には、卵巣でつくられるエストロゲン(卵胞ホルモン)が急に少なくなります。ほてり・のぼせ・発汗、眠れない、気分が沈むといった更年期の症状の多くは、この変化に体が追いつけないことから起こります。HRTは、減ったエストロゲンを少量補って、変化をなだらかにする治療です。

役割ホルモン使う人
症状をやわらげる(補う)エストロゲン(卵胞ホルモン)HRTを受けるすべての方
子宮内膜を守る黄体ホルモン子宮がある方。エストロゲンだけを使い続けると子宮内膜が厚くなり、子宮体がんのリスクが上がるため

子宮の摘出手術を受けた方は、黄体ホルモンを使わずエストロゲンのみで治療するのが一般的です。ほてりなどの症状に対しては、HRTで症状の回数が大きく減ることが多くの臨床試験で確かめられており、国内外の指針で中等度以上の症状に対する中心的な治療と位置づけられています。HRTは保険診療で受けられます。

Three Forms

エストロゲンは3つの形から選べます

形使い方こんな方に気をつけること
飲み薬1日1回、なるべく同じ時間に毎日の習慣にしやすい方。長く使われてきた実績がありますいったん肝臓で処理されるため、中性脂肪が高い方や血栓のリスクがある方には別の形をお勧めすることがあります
塗り薬(ジェル)1日1回、腕・お腹・太ももなど製品ごとに決められた場所に薄く塗る肝臓への負担を減らしたい方、量を細かく調整したい方塗った後は手を洗い、乾くまで服で覆わない。ご家族(とくにお子さん)やペットが塗った場所に触れないように
貼り薬(パッチ)下腹部などに貼り、製品ごとに決められた間隔(2〜3日ごと・週2回など)で貼り替える毎日の服用を忘れがちな方。ホルモンが一定に吸収されますかぶれを防ぐため、貼る場所を毎回ずらす。黄体ホルモンも一緒に入った貼り薬もあります

塗り薬と貼り薬は皮膚から吸収されて肝臓を最初に通らないため、血栓症のリスクが飲み薬より低いと考えられています。どれが合うかは、症状、持病、喫煙の有無、続けやすさなどから一緒に考えます。「飲み忘れが多い」「ジェルのべたつきが苦手」など、使ってみて変えることもできます。

Protecting the Uterus

子宮を守る黄体ホルモンの種類

子宮がある方には、エストロゲンと組み合わせて黄体ホルモンを使います。主に次のようなタイプがあります。

  • 合成の黄体ホルモン(飲み薬):決められた日数(毎日、または月に一定期間)飲みます。眠気が出にくいタイプもあります
  • 天然型の黄体ホルモン(飲み薬):体の中のホルモンと同じ構造のお薬です。眠くなりやすいため寝る前に飲み、服用後の車の運転は控えます。大豆由来の成分を含む製剤があるため、大豆アレルギーのある方はお知らせください
  • エストロゲンと黄体ホルモンが一緒になった貼り薬:別に飲み薬を足す必要がありません

飲み方には、毎月決まった時期に出血を起こす方法と、出血をなるべく起こさない方法があります。閉経からの年数や、出血をどう感じるかで選びます。

Starting HRT

始める前に確認すること・始めてからの過ごし方

始める前に

問診で症状と生活をうかがったうえで、血圧・血液検査(肝機能・脂質など)、乳がん検診・子宮がん検診の状況を確認します。乳がん・子宮体がんの治療中または既往がある方、血栓症の既往がある方、重い肝臓の病気がある方などは、HRTが向かないことがあります。何歳で始めるか、閉経から何年たっているかでも判断が変わるため、お一人ずつ確認します。

始めたばかりのころによくあること

胸の張り、少量の出血、おなかの張りなどは、始めて数か月のあいだによくみられ、多くは体が慣れるにつれて落ち着きます。気になるときは自己判断でやめずにご相談ください。量や種類を調整できます。

次のようなときは、すぐに受診してください

  • 片方の脚(とくにふくらはぎ)が腫れて痛む
  • 急に息が苦しくなる、胸が痛む
  • 経験したことのない強い頭痛や、視界の急な異常
  • 多量の出血、いつまでも止まらない出血

続けている間は

年に1回の乳がん検診・子宮がん検診を受けながら、必要な量と期間を定期的に見直します。黄体ホルモンを併用するHRTを長く続けると乳がんのリスクがわずかに上がることが知られているため、「漫然と続ける」のではなく、症状や年齢に合わせて一緒に確認していきます。HRTのリスクとベネフィットについては更年期障害のページの治療法でも解説しています。

HRT vs. Placenta

HRTとプラセンタ注射(メルスモン)の違い

更年期の症状には、ヒトの胎盤から抽出した成分を注射するプラセンタ注射も使われます。このうちメルスモンは、国内で更年期障害への使用が認められている医療用医薬品です。どちらも更年期の治療ですが、しくみも、裏付けとなる研究の規模も異なります。

HRT(ホルモン補充療法)プラセンタ注射(メルスモン)
中身エストロゲンなどの女性ホルモンヒト胎盤から抽出した成分
はたらき方足りなくなったエストロゲンをそのまま補充する女性ホルモンは含まず、抗炎症作用などを介して症状をやわらげると考えられている
使い方飲み薬・塗り薬・貼り薬(自宅で)皮下注射(通院して定期的に)
研究の蓄積数万人規模の臨床試験を含め、長年の研究がある対象者の少ない研究が多い
主な注意点始める前のリスク確認(血栓症・乳がんなど)と、続ける間の定期検診献血は最後の注射から3か月あける必要がある(2026年10月からの基準)
保険保険適用更年期障害の診断がある場合などに保険適用(当院の対象条件はプラセンタ注射のページ)

胎盤由来の成分を使った臨床研究では、症状の点数がよくなっても、採血で測る女性ホルモンの量には変化がなかったと報告されています。プラセンタは女性ホルモンの量を増やすのではなく、別の経路で症状をやわらげる治療だと理解するとわかりやすいでしょう。

症状が強い方にはHRTを中心に考えることが多い一方、HRTに抵抗がある方や、HRTと併用したい方にプラセンタを選ぶこともあります。どちらを選ぶかは、つらさの程度、年齢、持病、そしてご本人の希望をふまえて決めます。

ホルモン療法が向かない・使いたくない方は

乳がんの治療歴や血栓症の既往がある方などでも、漢方薬、ほてりを抑えるホルモン以外の薬、睡眠や気分の症状に合わせたお薬など、ほかの選択肢があります。どの症状がいちばんつらいかをお聞かせください。

FAQ

よくあるご質問

Q. HRTの飲み薬・塗り薬・貼り薬は、どれがいいのですか?
A. それぞれに特徴があり、症状、持病、喫煙の有無、続けやすさなどから選びます。塗り薬と貼り薬は肝臓を最初に通らないため、血栓症のリスクが飲み薬より低いと考えられています。使ってみて変更することもできます。
Q. 子宮がない場合も黄体ホルモンは必要ですか?
A. 子宮の摘出手術を受けた方は、通常エストロゲンのみで治療します。黄体ホルモンは、エストロゲンによって子宮内膜が厚くなりすぎるのを防ぐために使うお薬です。
Q. HRTを始めたら胸が張って出血もあります。やめたほうがいいですか?
A. 始めて数か月のあいだによくみられ、多くは体が慣れるにつれて落ち着きます。自己判断でやめずにご相談ください。量や種類を調整できます。出血が多い、長く続く場合は早めに受診してください。
Q. HRTとプラセンタ注射(メルスモン)はどう違いますか?
A. HRTは減った女性ホルモンを直接補う治療で、大規模な研究の蓄積があります。プラセンタ注射はホルモンを補うのではなく、症状に働きかけると考えられている注射薬で、研究は小規模なものが中心です。症状の強さやご希望に合わせて選びます。
Q. プラセンタ注射をすると献血はできなくなりますか?
A. かつては一度の使用で献血ができなくなっていましたが、2026年10月1日からは、最後の注射から3か月を過ぎれば献血できる基準に変わりました。最終的な可否は献血当日の問診で判断されます。
Q. HRTはいつまで続けられますか?
A. 一律の期限はありません。年に1回の乳がん検診・子宮がん検診を受けながら、症状や年齢に合わせて必要な量と期間を定期的に見直していきます。

Doctor's Message

院長より — 更年期は、我慢で乗り切る時期ではありません

私自身、HRTを始めてからほてりや気分の落ち込みが落ち着き、家族にきつく当たってしまうことも減りました。更年期の不調は、ご本人だけでなく周りの人にも影響します。だからこそ、つらさを我慢しないでほしいと思っています。

お薬の形は、生活に合わせて選べます。「ホルモンはちょっと怖い」という方も、まずはお話を聞きに来てください。リスクとメリットを一緒に確認したうえで、納得できる方法を選んでいきましょう。

ふくだあやレディースクリニック 院長 福田 綾(産婦人科専門医)

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クリニック情報・アクセス・ご予約

ふくだあやレディースクリニック(本院)

院長 福田 綾(産婦人科専門医)

〒530-0038
大阪府大阪市北区紅梅町1-6 カザリーノビル1階

TEL:06-6354-0088

アクセス

  • 大阪メトロ 谷町線・堺筋線「南森町駅」3番・5番出口より徒歩約3分
  • JR東西線「大阪天満宮駅」9番出口より徒歩約1分

このページの内容について

更年期のご相談、ホルモン補充療法(保険診療)、プラセンタ注射、漢方治療は婦人科外来で承ります。

ご予約・お問い合わせ

WEB・LINE予約は24時間受付中。お待ちの時間を短縮できます。

料金については料金ページをご参照ください。

参考文献・参考情報:本ページは、院長ブログで取り上げたテーマをもとに、以下の学会・公的機関の公開情報や論文を参照して当院が書き下ろしたものです。

  • 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会「ホルモン補充療法ガイドライン 2017年度版」
  • The 2022 hormone therapy position statement of The North American Menopause Society. Menopause. 2022;29(7):767-794.
  • MacLennan AH, et al. Oral oestrogen and combined oestrogen/progestogen therapy versus placebo for hot flushes. Cochrane Database Syst Rev. 2004.
  • 日本赤十字社「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に関する献血基準の変更」(2026年10月1日)(https://www.jrc.or.jp/)
  • 日本女性医学学会(https://www.jmwh.jp/)

※ 本ページの内容は、日本産科婦人科学会ガイドライン・最新の医学的エビデンスに基づき、院長・福田綾が監修しています。個々の症状・治療については必ず医師にご相談ください。

最終更新:2026年10月21日 監修:院長 福田 綾(産婦人科専門医)
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